【来見沢善彦の愚行2話など】ジャンプラ土曜日の感想まとめ

9月13日のジャンプラでは先週連載がスタートした『来見沢善彦の愚行』2話を含む10作品が更新されました。
今回はその中から、
- 『来見沢善彦の愚行』第2話
- 『大人大戦』第22話
- 『このクラスにギャルはいない』第30話
- 『野球・文明・エイリアン』第17打席
以上4作品の感想をまとめました。
ぜひ自分の感想と照らし合わせてご覧ください!
この記事はネタバレを含むのでご注意ください。

先週大きな反響を呼んだ『来見沢善彦の愚行』や新展開を迎えた『このクラスにギャルはいない』など盛りだくさんだったね!
『来見沢善彦の愚行』第2話
ビジュもキャラも濃い編集部
序盤は編集者たちを感動の渦に巻き込み、畑の作品が非凡なものであると読者に提示。
来見沢の新作をバカにしていた担当編集の小島が、畑の作品を読むなり梅干しを食べたかのような顔で感動していたのが面白かった。
物騒なビジュアルの男くさい編集者たちもこぞってすすり泣き。
序盤をコメディパートにすることで、中盤以降の展開とのギャップが効いていて良い。

来見沢の新作と思い込んで感動している姿は面白いけど、いたたまれない気持ちもある……。
畑の底が見えない才能
来見沢が提示した明日までにエピソードを3本考えるという課題に、3倍の9本という形で答えた畑。
一晩中時間を忘れて描いたすべてのエピソードが高クオリティで来見沢は驚きを隠せない。
いくら好きな漫画でもどのページのどのコマに誰がいてどんな表情で…なんて覚えられないよね。
畑の漫画に対する執着と集中力が垣間見れたエピソードだった!

夕食前の時間から朝までだと半日と3時間くらいかな。それだけの時間で9本のエピソードを描くだけでもう人間業じゃない。
あくまで善人の来見沢
畑の才能を作り上げたのが自身の作品という事実と向けられる尊敬のまなざし、今の来見沢にとっては苦しいものだろう。
恩義はありつつも連絡手段を断ち、田舎を捨てた畑の覚悟を目の当たりにしたならなおさら。
来見沢の普段の何気ないやり取りや表情から、根っからの善人であることが2話でもきちんと描かれているから読んでいてつらい。
今からでも編集部に本当のこと言おう!来見沢善彦!
割烹着を着て夕食を作る来見沢が好きだ!ナイトキャップをかぶって寝る来見沢が好きだ!
元人気漫画家のおじさんと才能あふれる青年が手を取り合って漫画を描くバディものにしよう!

冗談はさておき、次回ついに彼らの新連載が始まる。正念場の第3話をどう展開させるのか楽しみ!
▼『来見沢善彦の愚行』第1話の感想(ネタバレほぼなし)の記事はこちらから

『大人大戦』第22話
ガーデン恐怖症
無事二次選考を通過した優太郎。
優太郎の善性や素直さに惹かれる人はやはり多くガーデンでの評価が高い。
美人というだけで選考通過した子もいて嫌にリアルなのも良い。
モブのゴリくん、道化感強かったから落選は予想通り。可哀そうだけど面白かったよ。
赤松も当然合格したけど、ここでガーデン恐怖症なるワードが登場。
以前から評価に参加しないで十等大人として生きている人がいることも説明されていた。
けど赤松みたいにガーデンは嫌だけどガーデンを利用しないとまともな権利を得られないから仕方なく順応せざるを得ない人がたくさんいるはず。
ガーデンシステムに拒否反応を示すにしても多様なタイプがいて、今回の赤松が新しい風を吹かせてくれた。
優太郎は目覚めてから何日かこの状態で生活してたわけだけど、やっぱりプライベートな空間まで見られたくないんだね。
そんな人に10日間の監視生活……地獄すぎる。

ガーデンのシステムに懐疑的な人が仲間になる流れなら赤松の加入はありえそうだけど果たして。
赤松の好感度上昇と鋭い優太郎
このエピソードで赤松の幼少期が語られた。
小学生時代にもてはやされる能力を持ち合わせていなかった赤松、勉強こそが一生使えるカードだと考え努力してきた。
この部分刺さる人は多いんじゃないかな。
自分に何もないことを自覚して勉強を頑張るのも才能だし、それで東大まで行ってるのでネガティブから来る努力は凄まじい力を発揮することもあるし悪い事じゃない。
けどやっぱり悲しい気持ちもあるよね。
赤松の本心を聞いて「それは友達って言うんだ」と言える優太郎。
優太郎って自分のこと頭悪いって言ってるけど、本質を見抜く力はずば抜けてるよね。さすが主人公。
そして月日は流れかつての同級生と再会する赤松。
勝手に眼鏡取って笑いものにする同級生も幼稚だけど、
それに対してクズとか住む世界が違うって言っちゃう赤松を見ると、やっぱりまだ満たされてない何かがあるんだなと思わせられるし、
それが優太郎の友達発言に繋がってくる構成が上手い。
赤松のこれまでに共感・同情しつつ、優太郎の主人公らしく手を差し伸べてくれそうな終わり方。
両者の好感度が上がる良回でした。

赤松報われてほしい……、頼むぞ優太郎!
『このクラスにギャルはいない』第30話
クラスが別々になり七瀬さんの心境に変化
2年に進級してクラスが別々になってしまった七瀬さんと間宮くん。
1年次では間宮くんが七瀬さんに対する恋心を自覚したものの、七瀬さん側は単なる友達くらいの距離感だった。
ところがクラス替えという一大イベントを利用し二人の距離を物理的に離すことによって、七瀬さん側にも心の変化をもたらせる構成がにくい。
七瀬さんの気持ちが友情なのか恋愛感情なのかまだわからない。
けどクラスが別々になったのに疎遠になることなく一緒に帰るのは決して浅くない関係。
ただそれを二人は特別意識していなさそうなのがじれったくも尊い。
二人の仲は進展するのか注目していきたい。

この絶妙な距離感をドギマギしながら見守るのも乙だよね!
あくまで良き友人の二人
七瀬さんは雷坂さん、間宮くんは黒咲くんと同じクラスに。
さすがに独りぼっちは心細いし、男女分かれて同じクラスに組み入れられる展開は妥当。
恋愛マンガだとサブキャラ同士の恋愛も期待されたりするけど、本作ではあくまでメイン二人の友人枠かつ癒し枠として動いているのが良い。
帰宅RTAもほかの漫画なら気を利かして~とかありそうだけど、この二人はガチで帰りたいから帰っただけのように見えるのが面白い。

友人+癒し枠以上の要素を入れない安心感があるよね!
良き理解者のモブクラスメイト
七瀬さん間宮くんの一番の理解者はモブクラスメイトと言っても過言ではない。
進学校らしく知的な言い回しで彼らの状況を把握、彼らをまだ知らない子に布教している姿も良い。
この作品の面白さはモブクラスメイトに2割くらい支えられている。

今にも咲きそうな~は秀逸。モブクラスメイトの今後の貢献に期待!
次回で1周年、今後の展望!
次回の更新で1周年を迎える本作。
サクサク話が進んでいるように見えるけど、現実世界の1年で作中も1年経過していると考えれば妥当か。
ただ互いが普通の友人以上の特別な友人だと自覚しているので、今後は恋愛面の進展を含めた展開をしていく以上よりテンポが速くなるかもしれない。
作品のタイトルからして描かれるのは高校生までだろうし、卒業までの残り2年間を今までのペースで描くか、ペースアップしていくかは世知辛いが人気次第だね。

もちろん時田先生が望んだペースで描けているなら、ペースが上がっても大歓迎です!
『野球・文明・エイリアン』第17打席
ヤルルの個性
投手対決により開拓仲間に加わったビオビオとラサ。すっかり野球にハマったようでなにより。
元不良のような立ち位置の彼らのビジュアル、
ビオビオは顔に傷があり眼光が鋭い。ラサは体が大きく常に眠そうな眼差し。
違いが角くらいしかわからなかったトルテンたちと比べると個性が強くて読者的には愛着を持ちやすい。
ただよく見るとトルテンとテスも頭の形が違うね、テスの方がシャープな形状。
子どものキノはラサ同様猫背気味、カノは背筋をピンとしてる。ちゃんと彼らを観察していると角以外の個性も描き分けられているので見ていて楽しい。
とはいえ女子より人数の多い男性陣だからこそ、ビオビオたちのようなわかりやすい識別方法があるとより個々に対して愛着を持てるはず。
なので今後も個性的なビジュアルのキャラが登場することを期待。

キャラが増えれば自然と差別化のために個性は強くなっていくだろうけどね。
カレンダー誕生!
あいかわらず頭の良すぎる高次くんとヤルルたち。
説明が分かりやすい、読者の疑問もヤルルたちの的を得た質問によってすぐに解消。
暦が生まれたことで今後の野球開拓が計画的に実行され、より効率的に進行していくと思われる。
それにしても成人ヤルルの年齢幅が広くてびっくり。ヤ年換算で5~100歳。
1ヤ年が225日、1年365日の地球の6割ほどなので彼らの年齢を地球換算すると3~60歳。
ラサおじいちゃんやん!テスくん孫やん!
長のような明確な老人がいる以上ラサも若者なのだろうけど、それにしても高次くんの言う通り成長が早く老化が遅いんだね。

地球感覚との違いも読んでいて面白いので次回も期待!
まとめ
日曜日に並んで面白い作品が多く楽しみな土曜日の連載陣。
ジャンルもバラけていて個性も強いのが特徴のジャンプラ土曜日の作品たちがもっと人気が出ることを期待したい。
ではまたっ!